こんにちは、ひかりちゃんです。
読書にハマってくると、いわゆる”名作”を読んでみたくなることありませんか?
今流行りの本だって数年後には読まれなくなっていくことはざらにあって、
そのなかで数十年、数百年と読まれ続けているなんて、
なんておもしろいんだろう!って思っちゃいますよね!
今回は、、、
レイチェル・カーソン著, 上遠恵子訳『センス・オブ・ワンダー』(新潮社)
ご紹介!
この記事を読んで、レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』自分も読んでみようかな?
と思ってもらえたらうれしいです!
レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』を読んでみた
レイチェル・カーソンといえば、”歴史を変えることができた数少ない本の一冊”と称される『沈黙の春(Slient Spring)』(新潮社)が有名です。
我々世代だと”環境汚染の問題喚起をした”本として、歴史の教科書にも登場した『沈黙の春』です。
そんなレイチェル・カーソンが『沈黙の春』の次に書いたのが、そして彼女の遺作となったのが、今回紹介する『センス・オブ・ワンダー(The Sense of Wornder)』です。
あらすじは、こちら👇
子どもたちへの一番大切な贈りもの
美しいもの、未知なもの、神秘的なものに目を見はる感性〔センス・オブ・ワンダー〕をはぐくむために、子どもと一緒に自然を探検し、発見の喜びに胸をときめかせる--
本書の帯より
この本は、私たちに、自然の素晴らしさ、偉大さをどう感じるべきかを伝えてくれるように感じます。
感想
バックグラウンドを知らないと、単なる自然愛好家のエッセイ的なものに感じました。
印象に残っているセンテンスが2つあります。長くなりますが、それぞれ引用し、感想を述べていきたいです。
『センス・オブ・ワンダー』と『エミール』は似ている?
子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄み切った洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。
もしも私が、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいと頼むでしょう。
この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人口的なものに夢中になることなどに対する、かわらぬ解毒剤になるのです。
レイチェル・カーソン著, 上遠恵子訳『センス・オブ・ワンダー』(新潮社)
ここを読んで思ったのは、ルソーが『エミール』で描いている教育観と似ている!ということです。
教育学において、ルソーの説く教育は、性善説に基づき、社会生活のなかで育てず、人間本来のあり方にしたがって教育するという”消極的教育”と呼ばれています。
ルソーの『エミール』は、教育を5段階に分けて、架空の”エミール”という子と、先生”ルソー”の物語が描かれています。
- 乳児期
- 幼児期
- 児童期
- 少年期
- 青年期
『センス・オブ・ワンダー』で近しいのは、乳児期~児童期の考え方です。自然の中で育てるってところです。
寝る時間がおそくなるからとか、服がぬれて着替えをしなければならないからとか、じゅうたんを泥んこにするからといった理由で、ふつうの親たちが子どもから取りあげてしまう楽しみを、わたしたち家族はみなロジャーにゆるしていましたし、ともに分かち合っていました。
レイチェル・カーソン著, 上遠恵子訳『センス・オブ・ワンダー』(新潮社)
とか
視覚だけでなく、その他の感覚も発見とよろこびへ通ずる道になることは、においや音がわすれられない思い出として心にきざみこまれることからもわかります。
レイチェル・カーソン著, 上遠恵子訳『センス・オブ・ワンダー』(新潮社)
とかほんと『エミール』で描かれていることにシンパシーを感じる。
ちなみに私は、学生時代に教育学を学んだ傍らで『エミール』のことを知り、せめて岩波文庫で読もうとしたのですが、上中下巻の大作ぶりに挫折。代わりに”まんがで読破”シリーズでさくっと読んじゃいました。
自然界への尊厳を感じることは、生きるよろこびを見出すのか?
人間を超えた存在を認識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐくみ強めていくことには、どのような意義があるのでしょうか。自然界を探検することは、貴重な子ども時代をすごす愉快で楽しい方法のひとつにすぎないのでしょうか。それとも、もっと深いなにかがあるのでしょうか。
わたしはそのなかに、永続的で意義深いなにかがあると信じています。地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。たとえ生活のなかで苦しみや心配ごとにであったとしても、かならずや、内面的な満足感と、生きていることへの新たなるよろこびへ通ずる小道を見つけだすことができると信じます。
地球の美しさについて深く思いをめぐらせる人は、生命の終わりの瞬間まで、生き生きとした精神力をたもちつづけることができるでしょう。
レイチェル・カーソン著, 上遠恵子訳『センス・オブ・ワンダー』(新潮社)
大きな海を見ると、自分の悩みちっちぇえ!みたいな感じ?
自然への関心がもてるひとであれば、社会生活の中の?に対しても関心を持ちづつけられる的な?
このあたりは都心部で生きてきて自然とふれあってこなかったわたしの理解を超えるところでした。。。
読書会レビュー
今回は、前職の同僚とのちょっぴり意識の高い月1読書会の課題本として読みました。
(だってね、ひとりじゃ読み切るモチベーションがね)
思い始めれば始めるほど、ルソーが頭から離れなかった。
自然感じる旅行にいきたいって思ったし、子育てするなら自然感じられるところにしたいって安直に思った。
読んでるだけで癒される。
挿絵もあって絵本のような感覚で読める。
ただ、この本の理念を腹落ちするのはなかなか難しいなあと思った。
おわりに
たしかにページ数がたくさんあるような本ではないけれども、
レイチェル・カーソンが後世に、子どもたちへと残したかった世界を知ることができる良書です!
レイチェル・カーソン著, 上遠恵子訳『センス・オブ・ワンダー』(新潮社)
おすすめです!
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