こんにちは、ひかりちゃんです。
大学の友人たちと、活字離れはだめだ!
毎月1冊は読書がしたい!(しなきゃ!)と始めた”ゆるっと読書会”
今月は、こちらを読みました👇
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(早川書房)
この記事を読んで、フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を読んでみようかな?と思ってもらえたらうれしいです!
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を読んでみた
選書は、友人Y
妹さんの旦那さんから「超絶おもしろい」と勧められたらしいんだけど、全然読めてなかったんだって。”ゆるっと読書会”では、気の進まない積読処理もよくやりますw
あらすじは、こちら👇
第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡してきた〈奴隷〉アンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って、決死の狩りをはじめた! 現代SFの旗手ディックが、斬新な着想と華麗な筆致をもちいて描きあげためくるめく白昼夢の世界!
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(ハヤカワ文庫)の裏表紙
リドリー・スコット監督の名作映画『ブレードランナー』原作。
ざっくりいうと、賞金かせぎ(バウンティ・ハンター)のリック・デッカードが、逃亡アンドロイド狩りをするお話。その狩りのなかで、人間とアンドロイドの違いについて、リックが読者と一緒に悶々としちゃいます。
感想
正直、この世界観に入り込むまでに、めちゃくちゃ時間がかかりました。
ベッドわきの情調オルガン(ムードオルガン)から、アラームが送ってきた陽気な弱いサージ電流で、リック・デッカードは目をさました。
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(ハヤカワ文庫)p.7
ムードオルガンってなんやねん!サージ電流ってなんやねん!!感情をダイヤル???
という感じで、世界が分かるようでわからない。個人的には9章(章分けはナンバリングだけで、1~22に分かれています。)でミス・ラフトが出てくる話らへんまでちんぷんかんぷんで読み進めてました。振り返ると、ここまでにかなり重要な話はたくさんありますが。
個人的に人間とアンドロイドを見分ける”フォークト=カンプフ検査法”おもしろいなと思いました。
ちょっと備忘録的に、細かく感想書いておきます。
人間とアンドロイドを見分ける”フォークト=カンプフ検査法”
人間とアンドロイドを見分ける判定に使われている「フォークト=カンプフ検査法」という感情移入度検査。
「これで--」リックはリード線のついた小さな接着用円盤を上にかざして、「--顔面毛細血管の拡張度を測定する。自律神経の一次反応といわれるもののひとつで、平たくいえば、道徳的にショッキングな刺激に対する、”恥ずかしさ”とか”赤面”の反射運動だ。これは、皮膚の伝導性や、呼吸や、脈搏とおなじように、随意に制御できない」もうひとつの器具であるペンシル・ビームの光源を見せて、「こっちは、眼筋の緊張の変動を記録する。たいていの場合、赤面現象と同時に、眼筋にもわずかだが探知できるだけの変化が--」
「そして、アンドロイドにはそれがないわけね」とレイチェル。
「刺激質問では生じてこないね、たしかに。ただし、生物学的には存在する。潜在的には」
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(ハヤカワ文庫)p.61
このSF小説が世の中に発表されたのは、1968年。今は、2023年。ちょうど半世紀の隔たりがある。ほんとうだろうか?と思わされるくらい、2023年現在、平凡なOLが想像する人型AIロボットを見分ける方法と変わりがなさそう。
フィリップ・K・ディックって先見の明すごない!?
人型ロボット(アンドロイド)が人間と見分けがつかなくなる時代は、まだまだ先かもしれないけれども、人間が書いたテキストと、生成AI(ChatGPT等)がつくったテキストが見分けられない時代はもうきている。
正直、わたしが書く感想よりも、非常に有意義な示唆に富んでいると思うの👇
フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は、サイエンスフィクションの傑作として知られる小説です。この作品は、人間と人工知能の境界が曖昧になった未来の世界を描いており、物語の舞台となる地球は核戦争の影響で荒廃し、多くの生物が絶滅しています。
私の感想としては、この小説は非常に興味深く、哲学的なテーマに触れていると思います。作中では、主人公のリック・デッカードが、アンドロイドたちを見つけ出し「引退」(廃棄)することを仕事としています。しかし、その過程でデッカードは、自身の現実感やアイデンティティに疑問を抱くようになります。また、アンドロイドたちも自分たちが生きる権利や自己意識を求めて行動します。このような人間と人工知能の境界が曖昧になった世界観は、人間の本質や意識について考えさせられる要素を持っています。
また、ディックの描写は非常に独特であり、読者を引き込む力があります。彼の文章は緻密でありながらも、物語の中で現れる矛盾や不確かさを上手く表現しています。それによって、読者は一つの答えにとらわれず、さまざまな解釈を考えることができます。
ただし、この小説は比較的難解な部分もあります。ディックの作品はしばしば現実と幻想、人間と機械の境界が曖昧になる描写が特徴的であり、読者にとって混乱する場面もあるかもしれません。しかし、その複雑さこそがこの作品の魅力でもあります。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は、人間の存在や意識について深く考えさせられる作品であり、科学技術の進歩がもたらす倫理的な問題を探求しています。サイエンスフィクションや哲学に興味がある方には、ぜひ読んでみる価値がある小説だと思います。
”フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の感想教えて”に対するChatGPT(生成AI)の回答
「私の感想」っていう自我まで芽生えているw
話は戻って、刺激質問が、意味不!えぐい!っていう感想。
- 蝶のコレクションと殺虫瓶
- 手首にスズメバチが這っている
- シーフードのレストランでエビが注文され、コックは客の目の前で熱湯の中にエビを放り込んだ
この話を聞いて、どう感じるのか?どう感じるべきなのか?
これは「生きている動物を所有することが地位の象徴」となっている世界観という色眼鏡を使って考えなければならない。(おもしろい)
- 雑誌を読んでいたら、見開きの女のカラー・ヌード写真
- 夫はその写真が気にいった
- ヌードの女はうつぶせになって、大きな美しい熊皮の敷物に寝そべっている
- 夫はその写真を飾った
この話を聞いて、どう感じるのか?どう感じるべきなのか?
この質問を投げかけているとき、リックは、”アンドロイド的反応だ。死んだ動物の毛皮という、かんじんの点に気づいていない。”と考察している。
いや、気づかねーよw
ヌードってところで、”恥ずかしい”って感じるのが正?と思わせつつ、”熊皮の敷物”のほうがこの世界ではキラーパスとして機能している。(おもしろい)
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
タイトルの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』という疑問文、すごく幅の広い解釈ができるような問いだなと。(おもしろい)
アンドロイドは、電気羊の夢(劣等感)は見ないと思うけれども。
どうして○○(ネタバレにつき伏せる。※アンドロイド)は山羊を殺生したのだろうか?興味本位?
よくわからない~~~
おわりに
たしかによくわからないことは(「バスター・フレンドリー」、「マーサー教」、「共感(エンパシー)ボックス」、21章のリックの行為、、、エトセトラ)多いけれども、それこそザ・SF小説!って感じなのかも。しかも今話題の、AIの問題とも引き合わせて読める現代的な小説でした。
読んでみてね~!
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(早川書房)
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